day41 - わざわざ英語で歌う日本のバンドマンへ

日本でメタル、パンクなどなどのボーカルやってる人の大半がぶつかるであろうジレンマ

リリックを英語にするのか日本語にするのか問題

 

まぁ完璧に英語ができる人なんて少ないもんねぇ


「間違った英語で恥かかないかなぁ」とか「英語話せるわけでもないのにわざわざ英語でやる必要ある?」とか...色々思うよねぇ
そんなことを感じながらも大半のバンドは英語でやってますよね

そんな現状

俺の意見を言わせていただけるならば...

好きな方でやればいいんじゃない!

君が英語を何不自由なく話せたとしても、英語が全くの苦手だったとしても

好きな方でやったらいいよ。堂々と。大声で

ちなみにそう言うてる私は英語が話せます
何不自由なく
5年前までアメリカに住んでたから当たり前なんだけども

そんな俺が色んな国の色んなバンドのボーカルのボーカリゼーション、リリックを見てきた経験上言います

別に英語が間違ってたって、歌詞が聞き取れなくたって全く問題ございません


その理由を以下に羅列していきます

①歌詞を聞き取れないバンドは絶対にダメか?そもそもがそんなことないですよね
字幕無しで映画が見れる僕でも何度聴いても歌詞が聞き取れないネイティヴスピーカーのバンドは星の数ほどいます(笑) CONVERGEなんか一番わかりやすいかな(笑) 聞き取れる曲もあるけどね。聞き取れない曲はネイティヴスピーカーでもまぁ〜一切聞き取れない
じゃあそこでCONVERGEはクソバンドですか?って言ったらそんなことないよね
つまりはそういうこと
*あとブルデスバンドなんて論外ですよね(笑)
ヴィーヴィーしか言ってない

 

②なんで日本語でやらないの?って外人に聞かれたら問題

もし聞かれたら無視していい

いや...マズイな(笑)
俺だったら無視するけど、みんながみんな俺みたいな性格な訳ちゃうもんね

で、もし聞かれたら。

理由をつける必要はない
「そうしたいから」これでいい。だってそれ以上の理由がないやん?
逆にね、外人がわざわざ日本語でやってるバンドもいるわけやん?それ聴いてどう思う?俺は「ふ〜ん、まぁなんかきっかけがあったんやろうなぁ」としか思わない
「なんでわざわざ日本語でやんの!?カタコトやん!英語の方がかっけーじゃん!」とか...さすがにこの年になってそんなゲスなこと思わない
日本語の曲聴いてグッときて気に入ったからとかなんとかね、そういうきっかけがあったんでしょ
それくらい容易に想像つくやん
そんなことも察せないゲスを納得させようという努力は...しなくてよくないかな?(言い方が悪いかもしれない。けどこれが俺の意見です)

それは日本人が英語で歌う場合も同じこと
中学生の時からずっとKORNとかLimpBizkitとか英詞で育ったもので
英語でやりたい気分なんだわ
ってそれ以上の理由が無いやろ!!

いや、それでもおかしいよ!とか色々ツッコんでくるやつもいると思う
某有名日本のメタルバンドのYOUTUBEコメント欄でもたまに見かけますよね。英語の間違いを指摘してる外人さんが
そういうのはガチで無視していい
だってね、そういうやつは、じゃあ言語の部分をクリアしてるバンドのことは否定しないのかって言ったらそんなことないでしょ。今度はまた違うところを否定するはず。要は他人の粗をどこかしら探して批評したい批評家タイプのやつやねん
そんなやつの言うこと真に受ける必要がない

まぁ~それでも外人の中には「日本人がなんでわざわざ英語??」って思う人がたくさんいると思う。まぁけどそれはねぇ~歌詞の話から逸れるかもしれないけど、芸術やる上での根本的なとこ。「万人に理解される必要はまったく無いし納得させる必要も無い」


③そもそもの英語の多様性
俺、英語で歌詞書くやん?まずは文法的にも正しく。
でもバックの演奏とリズムがどうしても合わんかったりする時あるやん?俺そういう時は文法を気にしない。文法を無視して歌詞を変形させる
文法的におかしいとかは別に気にしない。単語さえ間違ってなかったら別に通じるからね

日本語に置き換えて考えてみてや。単語さえ正しかったら単語の順番はあんま関係ないでしょ?日本語ラップとかけっこう倒置法が多いやん
主語+目的語+動詞 - これが一般的な日本語の文法だけども
日本語ラップっていうのは動詞+(主語or目的語)+(主語or目的語)の流れが実に多い
が、別に聴いてて「おい!なんだそのヘンな文法は」とはならないはず

まぁこれは日本語の性質上
形容詞は〇〇い
動詞は〇〇(U)←"う"の段
同じ音で終わってしまうから名詞を文の末尾に置かないとスキルフルに韻が踏めないからだと俺は思ってる。俺、別にそんなヒップホップ詳しくないけど(笑)
文の末尾が全部動詞で踏んでたり、形容詞で踏んでたら別にスキルもクソもないもんね(笑)

有名な話かもしれないけどSTAR WARSヨーダ
日本語吹き替えとか字幕では普通にしゃべってる風だけど、あいつ実は英単語をほぼほぼ日本語の文法で話してる
けど、アメリカ人が「ヨーダ何言ってるかわからねぇ!」とはなってないですよね
逆にそれがキャラになってる
要はそれくらい文法なんか気にしなくても大丈夫ってことです

極論「あ~ちゃうわ、それ」と「あ~それちゃう」はまったく同じことですよね

 

④音楽における正しい英語の定義
これってなんだろうね?
白人の老人が黒人のラップを聴いて理解できるか?
まぁ〜できないね(笑)
文法も違うし、単語も違うし、何より共通の文化、ニュアンスをシェアしてないもの

じゃあすべてのネイティヴに理解されない黒人ラップはアウトでしょうか?
ターゲット層である若者は理解してるからOK?

この辺りも曖昧ですよね

日本人のあなたがアナタ英語を使う権利は十分あるということ
アナタのターゲット層に響かせるならOKってことだ

若干③に戻るかもしれないけど、一口に英語って言っても色々あるんですよね
ユニバーサル言語だけに
イギリス英語、オーストラリア英語、アメリカ英語、その他ヨーロッパ地域の英語...
地球にはいろんな英語が存在する
アメリカだけでも何種類もの英語が存在してますからね

じゃあ俺の音楽は何英語に合わせばいいの?って...そんなの誰にも分からないですよね

これは海外での日常生活にも通じることですけど
これはあくまで僕個人の経験から感じる意見ですが
英語なんてものはある程度基礎さえおさえておけばあとは"自分の英語"で話せばいいんですよ。例えばアメリカの白人が「おまえの英語わからねぇ」って言ってきても、「オマエ英語に合わせる気はないから、俺の英語を理解できないんだったら消えろ」でいいと思いますよ
相手の英語の方が"英語の主流派"だとか色々あるんでしょうけど、そんなのクソくらえですよね(笑)。俺は10代でアメリカ行ってずっとそういうスピリッツで暮らしてました。そういう強気が俺がむこうでデスメタルバンドのフロントまで張れた一番デカい要因だと思いますね。常に堂々としてろっていう

 


⑤俺の経験
俺は一度、芸術ってなんぼのもんやねんと思ったことがある
具体的には芸術はどれくらい言語の正誤、よく言えば多様性を受け入れられるのか

そこで俺は自分が書いた歌詞を5人の人間に送ってみた
2人 - 帰国子女で100%バイリンガル
3人 - アメリカ人

結果はこんな感じ
バイリンガルA - 英語の間違いを指摘
バイリンガルB - 別に問題ないよ。えっ?英文法の間違い?それは...わからん。っていうかそんなの考えて読んでなかったけど
アメリカ人A - 英語の間違いを指摘しつつも別に音楽としては問題無い
アメリカ人B - 別に問題ないよ。えっ?英文法の間違い?それは...わからん。っていうかそんなの考えて読んでなかったけど
アメリカ人C - 別に問題ないよ。えっ?英文法の間違い?それは...わからん。っていうかそんなの考えて読んでなかったけど

 
ちなみにこれは
彼ら5人が、俺が英語分かってるってのを知ってるからという前提は関係ない
要は細かいこと言うやつは言うし、気にしないやつは気にしないってことだ

こっからは俺の意見だが
お笑いってのは笑かす側にも知識と知能が必要だけど、受け手にもある程度知識と知能 - 理解力ってのが必要ですよね?
芸術も受け手がどういう人間かってのがめっちゃ大事なんです

例えば、上記5人中の間違いを指摘してきた2人
この人たちの指摘の仕方は
「このitの指すものが分からない」
「このthe~の対象がわからない」(theがつくことで特定のものを指すことになるので)
などなど

要は「それは歌詞書いてる人しか分からない」でよくないですか?みたいなとこを指摘してる
要はどうでもいいところだ
歌詞ってのはある程度の独自の理解、独自の世界観で描かれるべきで、他人に100%文意が伝わる必要ない(と俺は個人的に思ってる)
詩的な歌詞って往々にして抽象的で唐突で、何のこと言ってるんだろうってのが多い
DEFTONESとかね。けどそれで悪いわけがない


最近は英語のアドバイザーがいてボーカルレコーディングにもその人が付いて指導してる...みたいなバンドさんも何組かいるよね
世界に通用したいとか色々考えがあるんやろうけど

そいつらの曲の歌詞読んだけど、正直微妙だった(笑)
なんかメタルじゃない表現だな~みたいな(笑)
アドバイザーまったくメタルっぽくない人だったしたしね...仕方ない
っていうか曲名が小学生っぽいのは指摘しないのかな?みたいな(笑)

あんまかっこいいこと言いたくないけど
メタルもパンクもハードコアも要はアティテュードなんだよね
不思議なことにそうなんだよ結局は
野蛮な自分を表現する時に、英会話講師みたいなのつけるのはちょっと違うでしょ
正しい基礎英語とか終わってるでしょ



色々書きましたが

散々間違ってもいいから好きに英語で書けとここまで来ましたが
最低限、唯一これだけは気をつけて欲しいってのはあるんです

それは「単語のチョイスは間違えないこと」

だっせぇ単語使ってしまってたら間違い以前の問題ですよね
そんなのネイティヴは乳幼児の時しか使わない単語だよ、とか、それは女子が日常使う単語や、とかね
そこは気をつけた方がいいな

 

俺もまぁ今後日本語で歌詞書くことがもしかしたらあるかもしれないけど、基本的には英語で書くかな

それは別に俺が英語ができるからっていうのが理由ではなく、"英語のメタルで育ってるから"。これが理由。メタルやるなら英語でやるのが自然なんですよね、俺にとっては

俺も英語できるって言っても、100%日本人なので外人からたまには「なんで日本語でやらないの?」って聞かれることもあるかもしれません

俺は気にしませんね(笑)

自分が思うようにやるだけです

 

外人が和食を出されたとき、わざわざ巧く使える訳でもないのに箸で食うやつもいるし、いつも通りスプーンとフォークで食うやつもいる
俺たち日本人っていうのは"わざわざ得意でもない箸を使って食べる"タイプなんでしょうね。まぁこれ上手い例えかどうか分からんし、芸術てのはもっと高尚なもんだし

けどザクッというとそういうことなのかなと俺は思う